派遣先の有給奨励日って休まなければならないのか?
飛び石の祝日や、お盆、年末年始休みの前後に【有給奨励日】が設定されている企業が多くあります。
派遣社員の場合、派遣されてから6か月間は有給休暇がないことがほとんどでしょう。
その間に『有給奨励日なので出勤しないでほしい』と言われたら、欠勤をするしかありません。
派遣社員は時給制の場合がほとんどなので欠勤すると1日分の給料がなくなってしまうので、人によっては死活問題です。
有給奨励日は、あくまで従業員に任意の取得を促す日であり企業は強制することができません。
ですので、『有給奨励日は有給を使ってほしい、欠勤してほしい』と派遣先は派遣社員に対しても欠勤や有休を強要することはできません。
現実的に出勤ができない場合の対処法
法律上、有給奨励日に強制的に派遣社員を休ませることはできません。
ですので、『休む意思がないこと』『出勤するつもりでいること』を主張するべきです。
しかしながら、実際問題、自分の所属する部署の人が全員休む、その日は会社自体を閉めてしまい誰も出勤しないなど、現実的に自分ひとりだけ出勤することが難しいということもあり得ます。
特に派遣社員のような立場であれば、上司がいないと仕事ができないというケースも多いと思います。
その場合は休業手当を受け取ることができます。
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
労働基準法 第26条より
休業手当の申し出方は?
本来は出勤日であるにも関わらず、会社都合で休業を命じられた場合、休業手当を受け取ることができます。
金額は本来支払われるはずであった賃金の60%です。
派遣社員に対して休業手当を支払う義務があるのは雇用主である【派遣会社】になります。
派遣先に有給奨励日等による休業を命じられた場合は、まずは派遣会社の担当営業に連絡をし、
『派遣先企業に休業を命じられたが、欠勤する意思がないので休業手当をお願いします』と申し出ましょう。
休業手当を渋られる可能性は?
実際のところ、休業手当の存在を知らない派遣社員が多いのか、揉め事や面倒なことを嫌う人が多いのか、
休業を指示されたら素直に有給取得・欠勤をする派遣社員が多いです。
派遣社員が休業手当を請求すると派遣会社は派遣先のわがままで欠勤させるのに、休業手当を支払う義務がでてくるので損失がでます。
ここからは派遣社員には関係のないことですが、派遣会社から派遣先企業に休業手当分の損失の請求・交渉が行われるのが一般的でしょう。
素直に派遣社員が派遣先の言うことを聞いてくれれば派遣会社にとってこれほど楽なことはないので、『休業手当を請求したい』というといい顔をされないというのが現実だと思います。
有給奨励日は祝日とつなげて大型連休になるような日程が多いので、自分にとっても都合がよいのであれば休んでもいいでしょう。
ただし、有給休暇は自分の自由に取りたい、有給がないので欠勤したくないというのであれば、労働者の権利は主張するべきです。
中には『休業手当は出せない』など、うそを言う派遣営業もいるかもしれませんが
そのような場合は『労働基準監督署に報告する』意思があることを示せば、まず渋られることはないと思います。
休業手当をもらうポイント手順
休業手当をもらうステップ下記の通りです。
①欠勤を依頼されても『欠勤する意思がない・出勤する』意思表示をする
⇒出勤が許可された場合、通常通りに働く。
②出勤が許可されない場合、派遣会社担当者に『欠勤を依頼されたが出勤できる状況ではないため、休業手当をください』と休業手当を請求する。
⇒休業手当をもらう。
③休業手当を渋られた場合『労働基準監督署へ報告するつもりである』ことを伝える。
⇒実際に労基に報告しなくても、大概の派遣会社はここで休業手当をくれる。
④それでも休業手当をくれない場合、実際に労働基準監督署に通報
⇒明らかな法律違反。労基が動けば休業手当を与えるように指導が入るはず。
ここまでしても動かない派遣会社問題ありなので今後の利用を辞めてもいいレベル。
【体験談】実際に休業手当を請求した話
筆者は2度、派遣会社に休業手当を請求したことがあります。
結果的に休業手当ではなく『出勤扱いにする』という結論に2度ともなりました。
派遣会社と派遣先での事務処理的にそちらのほうが都合がいいからだと思います。
結果的に派遣社員も得をするのでベストな落としどころでしょう。
コロナの関係で事務所閉鎖
派遣されて1か月もたたないうちにコロナによる緊急事態宣言がでました。
とある企業の小さな支店で従業員は筆者を含めて5人程度で、テレワークが可能な職種であったため、5日ほど出勤が禁止と派遣先企業が決定しました。
しかしながら、筆者は派遣社員であり、テレワーク用のPCが支給されていなかったことと、まだ派遣されて日が浅かったため一人で仕事ができるような状況ではなかったことがあり、『5日間は自宅で待機をしてほしい』と派遣先企業から申し出がありました。
コロナの影響による事務所閉鎖ではありましたが、特に社内からコロナ感染者がでたわけでもなく、派遣先企業の自主的な事務所閉鎖であったため、休業手当支給の対象になりました。
派遣営業に相談したところ、派遣先企業と交渉してくださり『仕事はしなくていいが出勤扱いにする』ということになり、本来支払われるはずだった100%の賃金が支給されました。
年末年始の有給奨励日
当時の派遣先は年末の29日が企業カレンダー上の最終出勤日でした。
しかしながら、年末はあまり仕事がないことと、周りの社員が全員休みたがったことで29日は全員有給と取得する有給奨励日にすることが派遣先企業での話し合いで決まったようです。
『みんな休んで事務所を閉めるから休みでいいか?』と指揮命令者に提案されました。
しかしながら、筆者は派遣されて6か月が経過していなかったので、派遣営業に『派遣先から休業を命じられたので休業手当がほしい』といったところしぶしぶではありますが、【出勤扱いにして給料は1日分だす】となりました。
法令順守な大手派遣会社が安心
有給奨励日を設けている企業は多いので、このような事態になることは決して珍しいことではありません。
小規模の派遣会社の場合、担当者の知識不足や派遣会社の法令順守への意識の低さからトラブルなる可能性が高いです。
大手派遣会社であればまず問題がないことだと思いますので、大手派遣会社の登録をおすすめします。
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