- 失業保険給付中にアルバイトは条件付きで問題なし
- 絶対アルバイトをしてはいけない期間
- 失業給付を受けとりながらアルバイトができる条件
- 失業保険給付中のベストな働き方
- 失業給付受け取り時の手取りを計算する
- 失業保険受給中にアルバイトした際の手取りシミュレーション
失業保険給付中にアルバイトは条件付きで問題なし
退職後、失業保険を給付できても、当たり前ですが働いていた時の6割~8割ともらえるお金は少ないです。
そのため、働いていた時と同じ生活を維持ことは人によっては難しいかもしれません。
失業保険給付中にアルバイトをすると就職とみなされ給付が終了したり、減額される可能性があります。
しかし、条件を満たせばアルバイトをしながら失業給付金を満額を受け取ることができます。
失業保険を受け取りながら最大限にアルバイトをして手取りを増やしましょう。
絶対アルバイトをしてはいけない期間
ハローワークで、失業給付金給付手続きを行い、受給資格が決定してからの7日間ある待期期間はアルバイトをしてはいけません。
この間は完全に失業状態でないと、待期期間が延長になってしまいます。
失業給付を受けとりながらアルバイトができる条件
■雇用保険に加入せずに働く
■週20時間未満の仕事
■1日の就業時間が4時間未満の仕事
週に20時間以上働く仕事をした場合、『就業した』と判断され失業保険が打ち切りになってしまう可能性があるので要注意です。
1日4時間未満の仕事であれば失業給付金を受け取りながらアルバイトができます。
しかし、下記の結果によっては減額される場合もあります。
A:基本手当日額+アルバイト収入-控除額(1,294円程度)
B:前職での賃金日額×0.8①AがBより少ない、あるいはAとBが同じ金額の場合…全額支給
②AがBより多い場合…差額が減額されて支給③1日分のアルバイト収入がBより多い場合…支給なし
②の条件の場合、働き損が発生する可能性があるので十分注意が必要です。
③の条件ので、1日に4時間以上のアルバイトをした場合、その日の失業給付(基本手当)は受け取ることができませんが、後日に繰り越されます。
その日の失業給付がカットされるわけではないので安心してください。
週20時間未満であれば、失業給付金は打ち切りにはならないので調節して働きましょう。
失業保険給付中のベストな働き方
給付金が減額されない程度に一日1~3時間だけ働くこともいいですが、
上限額があり手取りが少ないこと、短期バイトで数時間だけ働かしてもらえるアルバイト先を探すのは至難の業です。
■1日の労働時間を4時間以上
■週2、3回程度
■週の労働時間が20時間未満の短期アルバイト
週2で1日8時間の日雇いアルバイトをする、週3で1日6時間の短期アルバイトをするなどが現実的だと考えられます。
1日4時間以上のアルバイトをすると、働いた日の分の失業給付は後ろに繰り越されますので、失業給付を受けながら仕事を探せる期間も伸ばせますので一石二鳥です。
日雇いバイトは面接なしで登録だけで働けるところも多いのでたくさん登録しておきましょう。
失業給付受け取り時の手取りを計算する
失業保険を受け取っているときの手取りは下記の計算で計算できます。
基本手当日額 ×1か月+(アルバイトの収入)-国民健康保険料-国民年金保険料
失業給付金は非課税ですので所得税・住民税はかかりません。
アルバイトで稼いだ分は金額によっては税金が源泉徴収されることがあります。また、確定申告の時期に年収によっては税金が徴収されます。
収入
■基本手当日額
■アルバイトで得た給料(減額に注意)
支出
■国民健康保険料
■国民年金保険料
基本手当日額
上記のサイトで自動で計算することができます。
基本手当日額×30日or31日が1か月の失業給付金になります。
前職の賃金日額
失業給付を受け取りながらアルバイトをする場合、上限の目安になります。
前職の6か月の給料÷180日=前職の賃金日額
失業給付金を受け取りながら、短時間アルバイトをするのであれば下記の計算で導き出せます。
前職の賃金日額×80% – 基本手当日額 +控除額(1,294円)=アルバイトできる上限額
国民年金
前職の会社で厚生年金に加入していた場合、国民年金に切り替えなければなりません。
国民年金は一律16,540円/月です。
国民健康保険
国民健康保険は住んでいる場所、前職の収入、家族構成によって大きく変わります。
前職で働いていた時よりも高くなる傾向にあります。
サラリーマンの家族がいる場合、扶養に入れば社会保険料の支払いはいりませんが、基本手当日額が3,611円以下の場合でしか失業給付金をもらいながら社会保険の扶養にはいることができません。
3か月の給付制限がある場合、その間は家族の社会保険の扶養に入ることができます。
退職理由によっては社会保険料は減額してもらえる可能性があるので必ず確認しておきましょう。
失業保険受給中にアルバイトした際の手取りシミュレーション
前職で働いていた時の給料と住んでいる地域の健康保険料、家族構成によっても変わってきます。
千代田区住み、前職月給20万円(年収240万円)、1人暮らしの人の例にシミレーションしてみます。
退職をすると国民年金、国民健康保険を自分で納めることになります。
今回は減額されず全額納付したと仮定します。
また、計算がややこしくなるためアルバイト収入の税金は無視しています。
前職での手取り
月給20万円
社会保険料 28,800円
所得税3,770円
住民税8,875円
手取り:158,500円
失業給付金だけ
基本手当日額 4,880円
4,880円×30日=146,400円
失業給付金146,400円
国民年金16,540円
国民健康保険20,000円
手取り:109,860円
週5で短時間アルバイトをする
前職の賃金日額:6,666円
6,666円×80%-4,880円(基本手当日額)+1,294円(控除額)=1,746円
1日1,746円を月20日間アルバイトで稼ぐ。
失業給付金30日:146,400円
アルバイト34,920円
国民年金16,540円
国民健康保険20,000円
手取り:144,780円
1日の給料が1786円以下のアルバイトを見つけることはほぼ不可能であり、多くの場合働き損が発生します。あまり現実的ではないです。
週2で8時間日雇いバイトをする
失業給付金
22日分:107,360円
月8回8時間の日雇いバイト(時給1300円)をする。
日雇いバイト:83,200円
国民年金16,540円
国民健康保険20,000円
手取り:154,020円
週に16時間しか労働をしていないにも関わらず、前職での手取りとほぼ同額になりました。
4時間を超えておこなうアルバイトの時給に制限はありません。
今回は時給1300円と設定していますが、もっと時給の高いバイトができれば収入はもちろん増えます。
また、週の労働時間を16時間として計算していますが、週3で6時間、18時間の労働にすればもっと手取りは増えます。
前職同等の手取りがあれば、もちろん生活は維持できますし、週2のアルバイトであれば、就職活動の時間も十分確保できるでしょう。